ココタン卒業生作品発表!今回はシーズン10に参加し、卒業する皆さんです!
[この記事は 歌人はゆき咲くらさん が編集してくれました]
第10期ココタン卒業制作
ココタン卒業生の短歌作品発表です
皆さんご参加ありがとうございました!
ここだけ短歌(愛称、ココタン)シーズン10の皆さんが卒業となりました。ココタン卒業生による素敵な作品を発表させていただきます。
シーズン10のココタンは、まさに卒業シーズンと季節が重なりました。今回は初めて参加する方も多く、なんと過去最多の35名が参加。短歌リレーの順番が回ってこない間も、題詠やテーマ詠を行ったりと楽しんでいらっしゃる方々が多く見受けられ、今回は卒業と同時にネプリを作成するクラスも誕生しています。
また、前回のシーズン9にご参加された歌人の間由美さんが、ココタン参加中に詠んだ歌が、朝日花壇に掲載された!と卒業後にクラスにお知らせくださったりも。ココタンで行っている短歌リレー中に生まれた作品とあって、卒業後もクラスでお祝いするムードに溢れていました。参加中に様々な賞を取られた方々も多く、卒業後も絆を深めていけるのもココタンの魅力ですね。
今回のココタン卒業制作は、2月4日から3月31日までココタンに参加し、クラスの短歌リレーを中心に未発表作品つくりに取り組んできた皆さんの短歌です。「パンダ」「ウサギ」「コアラ」の可愛い3つのクラスにわかれて短歌を作っていました(クラス名は歴代の委員長さんやサポートチームに募り決定したもの)。
[敬称略、順番はクラスごとランダム]
様々なところへご応募される作品作りという観点から、「発表してもいいよ!」とお知らせくださった皆さんが詠まれた作品1首と、一緒のクラスで印象に残った短歌を詠まれた歌人さんを教えていただきました!
短歌リレーで詠まれた作品たち
熱々の唐揚げレモンかけたるやすぐ凍りつく彼女の微笑/とんだ一杯食わせ者
僕だけが頼めなかったあの時のクリームソーダは何色だった?/綿鍋和智子
レシートの日付をたどるカフェタイム歌集を買った日時 秒 店/田 幸樹枝
シンパシーなどはどこにも落ちてない どんぐり拾う彼のクシャクシャ/楼瑠
劇物のラベル貼られて瓶詰めの恋慕は春の棚へと並ぶ/吉田岬
夕暮れに自分を鎧うことばかり上手くなるなり 白みゆく窓/寒蠅
どうすれば良いのか分からずランドセルいたずらしてた真っ赤な夕焼け/ながしまけんた
その肩が最初に背負う重荷ゆえ軽やかな色選ぶランドセル/汐留ライス
絡まった糸はほどけるのかしらデッドエンドの絶壁で待つ/碧乃そら
スタンプでごまかさないで軽薄な言葉でいいから◯で〆てよ/ 小仲翠太
星わたるつばくらかへりて覚ゆるは温き日をすぐ春の憂ひを/檜山省吾
ひさびさに起こすタープの張力をもう少し引く ファの音がする/鈴木ベルキ
口紅を押し当ててゆく 反抗期のない子だったと母の言う声ン/アカマツヒトコト
ヒビ割れてどこを刺しても響かない気がするだけの日々ポップコーン/はゆき咲くら
日々を生きつまずくことも多いけど未来は待ってるこんな私も/めぐ
今は死語バーコードハゲ令和ならきっと出てくるQRハゲ/アゲとチクワ
嫉妬すら燃やし尽くせよいなびかり わたしつらぬき瞬いてくれ/地下二階
水の中泳ぎ回りてゆらゆらと掬えぬ金魚もんもんと見つ/瑞野明青
八文字目母音の詐欺に引っ掛かる毎度恒例字余り切ない/みしょう
憧れの向こうで響くその音に耳を澄ませて今日も弾くだけ/さくさく
感情はしまっておこう君とまた会えると思う春似合う街/藤瀬こうたろー
君だけが触れる性感帯がありきっと三半規管のあたり/インアン
印象に残った歌人さんは?
クラスで印象に残った歌人さんを教えていただきました!その理由も!
〇印象に残ったのは…綿鍋和智子さん
その理由は?落ち着き、というか、言葉選びの優しさ。分からないところを優しく教えて下さってありがとうございます。感想いただけて嬉しかったです。歌にワクワクします!いちごの摘み方と世界の広げ方にいつも感服していました。
〇印象に残ったのは…汐留ライスさん
その理由は?言葉の選び方、そしてリズムの切り方がとても鮮やかでした。情景が浮かびやすく、その分感情移入もしやすかったです。
〇印象に残ったのは…とんだ一杯食わせ者さん
その理由は?分からないところを優しく教えて下さってありがとうございます!
〇印象に残ったのは…吉田岬さん
その理由は?分からないところを優しく教えて下さってありがとうございます!短歌の楽しみ方を広げてくださいました。歌が洗練されています!印象深かったです。言葉遣いや表現ももちろんですが、歌そのものがまとっている空気感が凛としていて好きでした。
〇印象に残ったのは…楼瑠さん
その理由は?一緒に楽しく学べました!
〇印象に残ったのは…田幸樹枝さん
その理由は?壁打ちなどもたくさん話せて嬉しかったです。〇〇最高でした。
〇印象に残ったのは…はるおさん
その理由は?わたしはやっぱりはるおさんの短歌が好きだったなぁって思います。日常の何気ないひとコマの切り取り方が上手だなと思いました。みずみずしい春の風みたいな、新しい何かを始めたくなるような素敵な歌が印象に残っています。
〇印象に残ったのは…ながしまけんたさん
その理由は?リレーでいつも無茶ぶりばかりしてしまいましたが、どれもきれいに打ち返してくださいました。
〇印象に残ったのは…若夏さん
その理由は?ふと見せる鋭い視線が好きです。
〇印象に残ったのは…寒蠅さん
その理由は?ほのぼのした中に力強さも感じました。
〇印象に残ったのは…アカマツヒトコトさん
その理由は?どの作品もアカマツさんの視点がわたしにはない視点で強く惹かれました。そこをそう見るんだという魅力が随所にあって、31音が30分くらいの動画を見ているような魅力があります。単なる時間経過でさえ刻々と迫ってきて去っていくようでした。リレーで前後になったことが幸せでした。いちごをつむたびに情景を思い浮かべることが多かったです。リレーの前後だったこともあり、特に繰り返し読み、言葉ひとつひとつの意味を考えさせられることが多かったのですが、アカマツさんは日常生活の中で、普段主役にはならないものを擬人化して詠むのがお上手と思いました。〇〇の歌が忘れられません。他の歌も発想とインパクトだけではなく、的確な比喩が印象的でした。
〇印象に残ったのは…碧乃そらさん
その理由は?柔らかいこもれびが届くような作品が多く癒されました。
〇印象に残ったのは…檜山省吾さん
その理由は?メロディが聞こえてくるような作品だと感じました。
〇印象に残ったのは…春木のんさん
その理由は?モチーフの使い方が上手だと思いました。
〇印象に残ったのは…鈴木ベルキさん
その理由は?完成度の高い作品が多くて勉強になりました。細かいところまで気配りがされていて、読後に印象に残りました。〇〇の歌は、春に向かう季節のクラスにふさわしい新鮮な気持ちにさせてくれる歌で、特に印象的でした。
〇印象に残ったのは…佐藤美加さん
その理由は?旬な作品が多くて共感することばかりでした。
〇印象に残ったのは…琴里梨央さん
その理由は?言葉の選び方が好きだなぁと感じる歌が多かったです。やさしく心の琴線を震わせてくれるような印象を持ちました。特に、〇〇の歌が好きです。「◇◇」が、君の心が閉じている様子を詩的にうつくしく表していて感銘を受けました。リレーの前後だったこともあり、特に繰り返し読み、言葉ひとつひとつの意味を考えさせられることが多かったのです。琴里さんの歌には、いつもどこか母性のような優しさを感じました。
〇印象に残ったのは…檜山省吾さん
その理由は?特に文語旧仮名の短歌が、季節感があり悠々とした自然を思わせるものが多くて好みでした。
〇印象に残ったのは…烏井つきなみさん
その理由は?〇〇が◇◇とフラッシュバックに重なるようで思いの込もる素敵な歌で、抒情の深さを感じられました。
〇印象に残ったのは…はゆき咲くらさん
その理由は?自分じゃ絶対にない明るさ☀️にやられました。なんとなくですが、太陽のような人となりが伺えるような歌が多く、歌自体に眩しいものを感じます。
〇印象に残ったのは…瑞野明青さん
その理由は?心にキュンとくるような、心で感じるような歌が多くてすごくいいなと思ったからです。歌がどれも良くて。本当に勉強になりました、ありがとうございました。
〇印象に残ったのは…みしょうさん
その理由は?心にキュンとくるような、心で感じるような歌が多くてすごくいいなと思ったからです。
〇印象に残ったのは…インアンさん
その理由は?発想の飛び方、その言葉を使うんだという驚きでワクワクさせていただけるところがすごいなと思っていました。 言葉選びのセンスが面白いと思いました。振り切れ方というか遊び方が好きです。
〇印象に残ったのは…都会的な喃語さん
その理由は?順番的にも一番真面目に読ませて頂いておりました。〇〇の歌、デカい視野の情報から手元に移る視線誘導が素敵でした。
〇印象に残ったのは…地下二階さん
その理由は?真っ直ぐで純度が高い詠としてよめる詠が多いと思いました。心が洗われるようです。リレーの短歌で1番印象に残った歌が多かったからです。好みとして直接的な表現じゃない歌が好きなんですが、地下二階さんの歌は言葉が練れてて、すごく伝わってくる感じがします。それと、言葉のチョイスが上手いです。たぶん、相当言葉を推敲されるタイプだとみました。〇〇の歌が一番好きかもしれません。
〇印象に残ったのは…アゲとチクワさん
その理由は?三十一文字の中に物語とオチがついているさまが美しいと思いました。
〇印象に残ったのは…NANAMIさん
その理由は?お歌の節々に細やかな視点、とりわけ植物への観察眼が感じられ、まるで目の前でその景色が展開されるようで心動かされました。〇〇の歌は、誰にでも既視感はあるであろう二つの動きをこんなにも美しく実感を伴って結びつけられるなんて…いつか自分もできるようになりたいです。
まとめ
ここだけ短歌(愛称、ココタン)は非公開の少人数短歌グループを作り新作の壁打ちなどをおこないながら未発表扱いの短歌作品創作をおこなうという企画です。短歌コミュニティ「A短歌会」の中で開催されています。
ココタンでは応募数にあわせ数名の創作グループ(クラスと呼ばれています)をつくっています。グループ内で題詠やいつごつみなど短歌作品を積極的につくる企画が提案され、感想の交換も活発におこなわれています。ここでやりとりされた作品は未発表扱いです。未発表作品ストックをつくっていきたいけど見てもらう人も欲しい、それをネットでやりたい、という方のご参加をお待ちしております。