映画をみて短歌を詠む「映画短歌空間」。今回は歌人のもくめさんに映画『ポトフ 美食家と料理人』の試写をみていただきました。
映画『ポトフ 美食家と料理人』の試写を観ました。
19世紀末フランス。
〈食〉を追求し芸術へ高めた美食家ドダンと、彼のメニューを完璧に再現する料理人ウージェニーの物語。
最初の料理シーンから惹き込まれる映画です。
手際よくできていく料理。長年連れ添ってきた二人の連携プレー。
みるみるうちに見たことのない美味しそうな料理ができあがっていきます。
二人はずっと料理を通して会話してきました。
だから、ドダンが料理と向き合い続ける限り、これからもウージェニーとの会話は続いていくでしょう。
二人の二十年を愛さずにはいられない映画でした。
■映画『ポトフ 美食家と料理人』の五首連作
映画を観て五首連作を詠みました。
「会話のように」
私たちずっと会話をしてきたわ 私が作り、あなたが食べる
二十年向き合ってきた食卓の上で成功するサプライズ
調理場の火を絶やさずにおきましょう ここにはいつも夏があったの
呼んでいる夜にあなたが来てくれた それだけでもう十分だった
これからも話し続けていくことをあなたがきっと叶えてくれる
(もくめ)
ご興味がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
映画公式サイト『ポトフ 美食家と料理人』
■『ポトフ 美食家と料理人』公開日・公開情報
12/15(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
【文・もくめ】
■筆者プロフィール
もくめ @mokume_88
2020年11月から短歌を始めました。Xにアカウントを持っていて、短歌を流したり、スペースで突発的に朗読をしたりしています。最近はA短歌会に参加して、短歌の講座を受講しています。
■「映画短歌空間」について
映画短歌空間は、「A短歌会」の一部メンバーでおこなっている活動です。興味ある方はA短歌会にご参加ください。