第5回毎月短歌で入賞した作品をご紹介します(2023年11月から12月頭までの応募作品)
神様は私をレンチンする時に外装フィルムを剥がし忘れた/遠藤ミサキ
自由詠
サンタクロース賞 杜崎ひらく選
佳作 北原有選
呼吸器の管の蛇腹に結露する水の嵩見て思ひ知る冬/菊池洋勝
自由詠 トナカイ賞 杜崎ひらく選
定食のご飯がなんか少なくてあのおばちゃんが辞めたのを知る/宇井モナミ
テーマ詠「食」
サンタクロース賞 杜崎ひらく選
モミジ賞(佳作) 梅鶏選
「彼女とは来んよ」ときみは笑いをり私ビールと酢豚の女/つし
テーマ詠「食」
トナカイ賞 杜崎ひらく選
竹鶏賞(三席) 梅鶏選
特選 北原有選
ナイスぽこ賞(二席) 外村ぽこ選
眠るひとの睫毛に光がとまってる 部屋のどこかに神様がいる/烏山千歳
11月の自選短歌 サンタクロース賞 杜崎ひらく選
今月も解けずに帰る婦人科の待合室に知恵の輪ひとつ/小石岡なつ海
11月の自選短歌 トナカイ賞 杜崎ひらく選
窓の外では飛行船が燃えている二時間後に面接があるのに/汐留ライス
自由詠 梅鶏賞(一席) 梅鶏選
陽だまりが苦手な君に夜に咲く花の名前を一つ教えた/猫背の犬
自由詠 松鶏賞(二席) 梅鶏選
ドッグラン 僕とおんなじ名の犬が僕より幸せそうで悔しい/猫背の犬
自由詠 竹鶏賞(三席) 梅鶏選
ありがとう 四季があるから少しずつ痛みを傷に変えてゆけます/未知
自由詠
トサカ賞(佳作) 梅鶏選
グッドぽこ賞(三席) 外村ぽこ選
くだものの名前のクラス ひとりずつ撫でられるために頭はまるい/石村まい
自由詠 セセリ賞(佳作) 梅鶏選
おさなごの頬をやさしく撫でし手でライフル銃の弾は撃たれり/文月のペンタトニック
自由詠 モミジ賞(佳作) 梅鶏選
わたくしをとある容器にたとへられ葱捨てるやうに鍋に入れたり/石村まい
テーマ詠「食」 梅鶏賞(一席) 梅鶏選
鶏皮を喰らうくちびるぬらぬらと光って誘蛾灯めいた夜/一ノ瀬美郷
テーマ詠「食」 松鶏賞(二席) 梅鶏選
胃カメラの検査の前に麻雀の牌を食べるとしたら、四萬/深山睦美
テーマ詠「食」
トサカ賞(佳作) 梅鶏選
佳作上篠翔選
佳作 北原有選
全員のカレー食べたいタイミング合う日があってだから家族か/水川怜
テーマ詠「食」 セセリ賞(佳作) 梅鶏選
法廷画で久々にみた親戚のこれは反省してない目つき/深山睦美
11月の自選短歌 梅鶏賞(一席) 梅鶏選
家系図の最後をかざるわたくしは進化の大樹の美しい枝/水の眠り
11月の自選短歌 松鶏賞(二席) 梅鶏選
来世ではわたしを猫にしてくれる人を探して日だまりにいる/未知
11月の自選短歌 竹鶏賞(三席) 梅鶏選
人に向け魔法を撃った初めての魔法少女になりそうである/深山睦美
11月の自選短歌 トサカ賞(佳作) 梅鶏選
去り際は美しくあれ 帰り道持て余すのに貰う花束/ぐりこ
11月の自選短歌
セセリ賞(佳作) 梅鶏選
佳作 北原有選
そのあと、を思えば張り裂けそうな胸 あなたは旅の終盤にいて/佐竹紫円
11月の自選短歌 モミジ賞(佳作) 梅鶏選
突然に「好き」と言われて飛び出したハートは黒ひげ危機一髪だ/くらたか湖春
自由詠 佳作 上篠翔選
花柄に花柄合わせるばあちゃんが真摯な姿勢できゅうりを選ぶ/琴里梨央
自由詠 佳作 上篠翔選
マフラーの巻き方変えてみたけれど凝れば凝るほど自分じゃなくなる/古城えつ
自由詠 佳作 上篠翔選
メイドカフェで出されたオムライスの味が驚くくらい母のに似てる/宇井モナミ
テーマ詠「食」
佳作 上篠翔選
秀作 北原有選
たらこスパぐるぐる巻いて神様はこうして銀河に星をこぼした/ぐりこ
テーマ詠「食」 佳作 上篠翔選
サイダーを振って渡したあの夏に殺意がなかったとは言い切れず/高原すいか
11月の自選短歌 佳作 上篠翔選
たたずんだ案山子のように非接触体温計もしずかな晩秋/くらたか湖春
11月の自選短歌 佳作 上篠翔選
オリオンのくびれを見上げウォーキングコンビニ前の甘いカフェオレ/よしなに
11月の自選短歌 佳作 上篠翔選
空気入れ、それっぽい言葉、夢の網 いくつになってもうまく使えない/石村まい
自由詠 特選 北原有選
寒さより冷たさのほうがつらかったフルニトラゼパ厶が溶ける青/キナコモチコ
自由詠 特選 北原有選
古くなりテフロン加工が剥げ落ちて、こびりついてる日々 炎 愛/久我山景色
自由詠
秀作 北原有選
ナイスぽこ賞(二席) 外村ぽこ選
夫婦して継いだ中華屋切り回す幼なじみを風の噂で/藤本くま
自由詠 秀作 北原有選
生き方に迷うと何も選べずにイオンモールは迷宮になる/くらたか湖春
自由詠 佳作 北原有選
もし僕があと二駅で降りたなら君が笑顔で待ってる気がして/藤瀬こうたろー
自由詠 佳作 北原有選
丁寧な暮らしは遠く惣菜をとめる輪ゴムの謎のねばつき/ぐりこ
自由詠 佳作 北原有選
医院にもクリスマス色あふれ出し癌と向き合う自分を褒めた/古城えつ
自由詠 佳作 北原有選
朝の分の食器を朝に片付ける告白前に捨てるプリクラ/遠藤ミサキ
テーマ詠「食」 特選 北原有選
ご馳走は向かいの席に人がいて美味しいねって言えるひととき/死んでるみたいに生きてる子
テーマ詠「食」 秀作 北原有選
牛丼屋のタッチパネルが動かない十一月の夜はさびしい/汐留ライス
テーマ詠「食」 秀作 北原有選
たまごやき 朝から焼いた たまごやき えらいぞわたし がんばれわたし/ふわふわ
テーマ詠「食」 秀作 北原有選
欲望の純度について 店員がじょうずに零すスパークリング/石村まい
テーマ詠「食」 佳作 北原有選
焼肉のたれを魚にかけるのだしかも刺身だ焼いてないのだ/汐留ライス
テーマ詠「食」 佳作 北原有選
玉子焼き今日は焦げずに焼けたから食べにおいでよ褒めてもいいよ/宮緖かよ
テーマ詠「食」 佳作 北原有選
律儀だね酔いに任せた告白は既読スルーをして欲しかった/くらたか湖春
11月の自選短歌 特選 北原有選
作文に出てくる君は旧姓で押せばどうにかなりそうだった/猫背の犬
11月の自選短歌 特選 北原有選
iPhoneを指で愛撫す午前二時君ほど愛した人はいない/野口み里
11月の自選短歌 秀作 北原有選
「いい人は、いなさそうだね」そう言えば恋ってものがあったんだっけ/桜井弓月
11月の自選短歌 秀作 北原有選
柔らかくきみのかたちが残された背もたれに手をふれそうになる/daist
11月の自選短歌 秀作 北原有選
嘘にしかない味が好きな人もいるメロンソーダの香りが好きだ/遠藤ミサキ
11月の自選短歌 佳作 北原有選
優しさを全部あげたいエジプトに渡らず死んだツバメのように/睡密堂
11月の自選短歌 佳作 北原有選
山賊になりたい夜がやってくる夜襲であなたを奪い去りたい/野口み里
11月の自選短歌 佳作 北原有選
あのひとの私を叱らないとこと私に興味ないとこが好き/遠藤ミサキ
11月の自選短歌 佳作 北原有選
海を読む 貝殻ばかり集めては二人索引みたいに並んで/未知
自由詠 ベストぽこ賞(一席) 外村ぽこ選
できるだけ優しい人に見られたい鍋を肉から食べないような/ぐりこ
テーマ詠「食」 ベストぽこ賞(一席) 外村ぽこ選
遥かなる川の果てで会いましょう相変わらずパフェを食べましょう/とうこ
テーマ詠「食」 グッドぽこ賞(三席) 外村ぽこ選
えげつない猥談をするカップルが図書館にいる手話をつかって/深山睦美
11月の自選短歌 ベストぽこ賞(一席) 外村ぽこ選
私このトイレをきれいに使うらしいドアにテープで貼られた予言/宇井モナミ
11月の自選短歌 ナイスぽこ賞(二席) 外村ぽこ選
肉まんの断面ひとつ差し出され覗くと冬の入り口でした/あひる隊長
11月の自選短歌 グッドぽこ賞(三席) 外村ぽこ選
ジャグリングしながらで良い、聞いてくれ、俺お前とは一緒になれない/深山睦美
自由詠 好きな歌 高田月光
マリオでも残機が×1(いち)になった日は眠れぬ夜を過ごすでしょうか/猫背の犬
自由詠 好きな歌 高田月光
ふたりでも食物連鎖は発生しきみはたしかに捕食者だった/遠藤ミサキ
テーマ詠「食」 好きな歌 高田月光
言い訳を胸に秘めれば朝焼けに食べられそうな川沿いの道/朝野陽々
テーマ詠「食」 好きな歌 高田月光
ここからは地球が救われてしまう展開だから面白くない/高原すいか
11月の自選短歌 好きな歌 高田月光
淋しくて左を向いて眠るとき右には何があったのだろう/水口夏
11月の自選短歌 好きな歌 高田月光
■毎月短歌の月詠
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